2021/12/05 11:56
(追記:2023.10.15)
本ブログの改訂版を別途投稿しました。
以下のリンクより新ブログもご覧ください。
(更新・2021.12.11:関連過去ブログへのリンク追加)
近年、ミュージックテープでアルバムを発表するアーティストが改めて増える傾向にあるそうです。
アナログレコードに続くカタチでミュージックテープの人気も回復傾向のように思われます。
一方、音楽を楽しむ環境はデジタル音楽プレーヤーやスマートフォン、あるいはCDプレーヤーど、デジタル機器が世の主流です。そのた
め、音楽イベントや通販などでお気に入りのアーティストのミュージックテープを入手したものの、実はカセットテープの再生機器を持っていない、という場面も多く発生しているのではと思います。
そこで、新しく、或いは改めて、カセットテープ再生機器を入手する場合、入手可能な機器の種類とそれぞれのメリット/デメリット等を綴ってみたいと思います。
今回はポータブル型カセットプレーヤーと、ラジカセ(CDラジカセ)を見てゆきます。
〇はじめに:近年リリースされるミュージックテープは「ノイズリダクションレス」が主流
近年リリースされるミュージックテープの多くは、かつて標準だったドルビーBノイズリダクションのエンコードが行われていません。
往年のオーディオ愛好家の方には、品質水準の後退なのか? と思われるかもしれませんが、技術進歩によるオリジナル音源のノイズ低減、製造工程へのデジタル機器導入、カセットテープへの録音技術の進歩などで、ノイズリダクションなしでも十分な静粛性を保っているミュージックテープが多くあります。

(上記画像:デイヴ・ブルーベック・カルテット「Time Out」。近年の製品。ドルビーBなしですが、静粛性は高いです。)
そのため、ノイズリダクション機能を持たない現在のラジカセやポータブル型のカセットプレーヤーでも近年のミュージックテープは問題なく聴くことができ、ミュージックテープの適用範囲はかつて以上に広がっている、とも言えると思います。
(関連過去ブログ::近年の「ドルビーオフ」ミュージックテープで気付いたこと)
それでは、近年のミュージックテープの再生機器についてです。
〇ポータブル型カセットプレーヤー
家電量販店やAmazon等のネット通販で、2千円台から5千円程度と最も安価に購入できるカセットテープの再生機器です。
カセットテープ音源をMP3ファイルに変換できる機能を持つ製品が多いですが、基本的にはかつてのカセットウォークマンのように、再生音を外付けのヘッドフォンやイヤフォン、あるいはアクティブスピーカーで聴く製品です。
メリットは以下のような点ではないかと思います。
・安価で気軽に購入できる
・小型で場所を取らない
・乾電池駆動以外にUSB給電可能な製品も多く、PCとの馴染みも比較的良い
・製品によっては再生音の周波数特性が相応に広く、低音域から超高音域まで音源に忠実に再生できるものもある
一方デメリットは、往年のカセットデッキの品質に慣れている方には、以下のような弱点が耳につくことだと思います。
・モーターに由来するらしい「ブーン」という感じのハムノイズが結構大きい
・走行系がぜい弱でワウ・フラッターなど回転ムラが目立つ
・ちょっと振動を与えたり、テープの負荷の増減などによって再生中に回転数が変化する
・購入後短期間で故障発生や走行安定性が失われる場合がある
製品としての品質、或いは位置づけは正直なところ、Hi-Fiオーディオというよりもトイプレーヤーと言っていいのでは、と思います。
製品品質がトイプレーヤーのレベルであることを受け入れることができるなら、結構楽しめる存在にもなると思います。

(上記画像:筆者手持ちのプレーヤー2台。右は高音域が伸びやか、左は落ち着いた再生音の製品です。)
この文章を書くため、久しぶりに手持ちの製品を出して聴いてみました。
確かにHi-Fiオーディオとしては物足りない部分があります。とはいえ再生音の周波数特性のみに着目すると、製品によっては侮りがたい水準の場合もあります。
また、PCからのUSB給電で小さなカセットプレーヤーが動く様子は、見ていて結構楽しいですし、その日の気分や再生する音楽ソースによっては楽しく聴ける製品でもあると思います。
(関連過去ブログ:ポータブルカセットプレーヤー雑感)
〇ラジカセ、CDラジカセ
ラジカセも数千円程度の安価な製品から選ぶことができますが、1万数千円以上の、各メーカーの上位機種になると、走行系やアンプ部やスピーカー等に一定のコストをかけて作り込まれています。ミュージックテープの音の良さが相応に発揮できると思います。
現在、新品が入手できるラジカセで、筆者が注目するのは以下の製品です。
〇パナソニック:RX-D47S
リモコンなし・SDカード等に非対応と、地味目なCDラジカセですが、使ってみるとカセット部の走行安定性が相対的に高い製品で、アンプ部の音質なども含め、基本的な性能面で真面目な作りがされた数少ないラジカセといえると思います。
ハイレゾ対応などの高品質のヘッドフォンを接続して聴くのもおすすめできます。

(上記画像:RX-D47S)
(関連過去ブログ:パナソニックのラジカセ2台についての印象)
〇ソニー:CFD-S401
こちらもリモコンなし・SDカード等によるデジタルデータの録再に非対応のCDラジカセですが、カセット部走行系の安定感は現行ラジカセでは前述のRX-D47S同様、上位に位置すると思います。
アンプ部の音作りもしっかりしており、明るく健康的で抜けの良いサウンドが聴ける製品であると思います。こちらも高音質のヘッドフォンの利用がお薦めできます。

(上記画像:CFD-S401(ホワイト))
(関連過去ブログ:ソニーの上位ラジカセ2台の印象)
〇東芝
〇TY-CDX91
カセット録再、ハイポジションテープ再生対応、CD再生、FM/AMラジオ、SDカードを用いてデジタル音源の録音・再生の機能を有し、リモコンも付属、と多機能です。
カセット部の性能は上記2製品に近い安定性が期待できます。
この製品もアンプ部の性能は相応に高く、明るく現代的な音質が期待できます。高品質なヘッドフォンの利用もよろしいと思います。

(上記画像:TY-CDX91)
(関連過去ブログ:東芝のCDラジカセについての印象(その1))
〇TY-AK2
ハイレゾ音源対応、2Wayスピーカー+合計40Wのデジタルアンプ搭載、カセットを含むハイレゾ以外の音源をハイレゾ相当の音質にするアップコンバート機能搭載、Bluetooth送受信機能搭載。ハイポジションテープ再生対応、等々、カタログスペック的に相当な意欲作です。
ただ、都合2台体験したマイナーチェンジ前の製品・TY-AK1のカセット部は意外にもフラッター系の回転ムラが目立ちました。AK2では改善しているでしょうか。
量販店での実売価格2.5万円程度と、本稿で取り上げる製品中で最高額です。それだけに多機能かつ、AK1同様、力の入っているアンプ部などの出来も相当に高いレベルと思われますが、肝心なカセット部の走行系が少し気がかりです。
購入に当たっては、お店にデモテープを持参して、走行安定性等が気に入るかどうかを確認することをお勧めしたいです。

(上記画像:TY-AK2)
(関連過去ブログ:東芝のCDラジカセ・CDラジオについての印象(その2・Aurex編))
〇まとめ
・ポータブル型カセットプレーヤー
現在のポータブル型カセットプレーヤーは、2千円台から5千円程度と安価です。かつての「ウォークマン・プロフェッショナル」のような品質を期待するものではない、と理解しています。
ですが、手軽にミュージックテープの再生装置を手に入れたい、という場合は重宝ですし、Hi-Fiよりもトイプレーヤーと捉えると、割り切りもよいし、相応の楽しみ方もできるように思います。
・ラジカセ
現行のラジカセの上位機種は、ミュージックテープの再生機器として、音質と手軽さの程よくバランスするところ、と言えるのではないかと思います。
同様な価格帯でも、メーカー及び製品により機能や個性に違いがありますので、購入の際は、実際に店頭で聴き比べをしていただくのが、失敗しない選び方になると思います。
(以下、向実庵からのご案内)
〇カセットストアデイ2022特集:当店セレクトのミュージックテープを販売中。(追記:2022.10.15)
