2020/07/13 11:43

(更新:2021.2.25)
ソニーの現在の上位グレードと言えるCDラジカセ2機種について、カセット部を中心に、その印象などを書きたいと思います。

◎CFD-S401
タイマー機能が充実していて、コンパクトながら上質な音を聴かせたCDラジカセ・CFD-E501の後継として登場したのがCFD-S401です。
 

(上の画像: CFD-S401(W:ホワイト))
先代のE501はベッドサイドでの使用を想定した比較的コンパクトな機種で、充実したタイマー機能を持っていましたが、S401にもそれらの特長はほぼそのまま引継がれました。
さらにマイク入力や外部入力インタフェースやワイドFMへの対応、乾電池駆動が追加され、よりアクティブな利用が可能になっています。

(上の画像:先代のモデル・CFD-E501・ご参考)

カセット部は「CD部と別に音のチューニングを施している」とのアナウンスで、実際に聴いたところでは(明確な違いはわからなかったですが)、高音域の抜けの良さに配慮したチューニングのように思われます。
また、カセット部走行系の安定感は現行ラジカセでは上位に位置すると思います。より上位のCFD-RS501と同様の安定感があります。

CD部も含めた音の傾向としては、明るく健康的で抜けの良いサウンドが聴ける製品であると思います。また先代のE501と比較して、もう少し低音が充実した印象があります。これはS401の筐体底部にあるバスレフポートが寄与しているのかな、と思います。
アンプ部の音作りもしっかりしており、高音質のヘッドフォンの利用もお薦めできます。

CFD-RS501の生産が終了した現在、このCFD-S401がソニーCDラジカセのトップグレードです。
今後は、現行機能にリモコン、トーンコントロール、メタル/ハイポジションテープ、Bluetooth機能への対応なども考えてもらえると素質の良さがさらに活きる、と思うのですがいかがでしょうか?

◎CFD-RS501
個人的に大変印象的な機種です。
数年前、秋葉原の量販店にて、テープとヘッドフォンを持って売り場のラジカセを一通り聴き比べしました。その時、音の良さで一番だったのがCFD-RS501でした(次点が上で触れたCFD-E501)。
この時は2万円近い価格に躊躇して買えませんでしたが、その半年後にこのCFD-RS501をさいたま市内の量販店にて1.7万円ほどで購入できました。

この機種が印象深い主な要因は、アンプ部の音作りの良さです。CDでもカセットでも、或いはSDカード等でも、明るくクリアで、なかなかに臨場感のある音が聴けます。

内蔵スピーカーは小径のため、聴く際は低音ブースト(MEGABASS)を常にONにします。それでも低音が出すぎない、中高音域寄りのバランスですが、ポピュラー系の音楽には程よく心地よいです。
オーケストラなど大編成の器楽曲は、音の良いヘッドフォンで聴く方がこの機種の(アンプ部の)実力がはっきりわかると思います。(ヘッドフォンでは低音ブーストOFFでいいです。)

カセット部のメカは、たぶんワウ・フラッターを計測すれば0.25%(WRMS)程度だと思いますが、よく作り込んであると思います。ワウもフラッターもうまく抑え込んであり、器楽曲も精度の高いデッキで録音したテープなら、安心して聴けるラジカセと言えます。

リモコン付きですが、メカ方式のカセット部に対してはボリュームと上記のMEGABASSの調整程度で、録再・早送り・巻き戻し等がリモコン上から操作できない点には、いくぶん古さを感じますが、音の良さに関しては十分現役と言えると思います。

ただ、残念なことにCFD-RS501は最近生産が終了しました。後継となる新製品のアナウンスは、(筆者の不勉強のせいかもしれませんが)今のところ聞こえてきません。

ひょっとしたらソニーはラジカセから徐々に手を引こうとしているのかも、と思ってしまいますが・・・それは、個人的に考えたくない現実ではあります。
そうではなくて、新機能を盛り込んでリファインされた’CFD-RS600’といった新型CDラジカセが遠からずリリースされることを期待したいです。