2026/08/20 10:49
2026.8.20
向実庵店主 舩生好幸
〇カセットテープオーディオは「音の出るおもちゃ」ではつまらない。
カセットテープオーディオも、音楽ジャンルを問わず楽しめるHi-Fiオーディオでなければ、と常々考え、このブログ上にもたびたび投稿しております。
これは、比較的に再生機器を選ばずに演奏が楽しめる、ヴォーカル中心のロックやポップスばかりではなく、
ヒスノイズや回転ムラに影響されやすく、相応に広い周波数レンジやダイナミックレンジも必要な、器楽作品も
カセットテープで楽しみたい。
そのためには相応に基本性能の高いオーディオ機器が必要、ということです。
現時点では、そういった基本性能を確保できる製品は、昭和の終わりから平成の前半くらいの頃のカセットデッキ、つまり、コンディションの良い中古カセットデッキでしか入手できない状況です。
一方、近年の、高音質をうたい文句とする(高価格帯の)ポータブルカセットプレーヤーなどの中には少しずつ、オーディオの高みを目指す歩みが見て取れる、とも感じています。
〇未来のHi-Fiカセットテープオーディオは現行ポータブルプレーヤーの進化の先に
ソニー、ナカミチ、アカイ、テクニクス、パイオニア、等、1970年代から1990年代頃にかけて、一時代を築いた日本のオーディオメーカー/ブランドの多くはその後、姿を消すか、別の事業分野へシフトするなどして、現在はHi-Fi領域のカセットテープオーディオに関わっていません。
上記で少し触れた、現在、高品質をうたい文句とするカセットテープオーディオ製品は、FIIOやWE ARE REWINDのような新興の企業によって提供されています。
今後も、デジタル中心の現在でもカセットテープオーディオは相応に売れる、ある程度値段が高くとも音質・性能が優れていれば利用者が受け入れてくれる、という状況が続くなら、
多種多様なパーツのサプライチェーン再構築・拡大への努力は困難な中でも継続され、5年後、10年後には、もっと高音質・高品質の、往年のHi-Fiオーディオレベルに到達するカセットテープレコーダーが、(ソニーなどではない)新興企業の手によって、改めて供給されるであろう、と想像しています。
とはいえ、現在はカセットテープがなくとも音楽を楽しめる時代です。
それゆえ「相応に売れる」にしても1台当たりの価格は相応に高くなると覚悟はしないといけないのでしょう。
〇近年リリースの高級オープンリールデッキは350万円超
カセットテープではありませんが、2025年12月20日に国内販売を開始したスイスのオーディオブランドREVOX(ルボックス)のオープンリールデッキ「B77 MK III」は、テープスピード19cm/秒に加えて38cm/秒への対応や、走行系やアンプ部などにも高品質なパーツを投入する等、妥協のない高級機種で、その価格は3,575,000円(税込)と大変高価です。

(上記画像:REVOX オープンリールデッキ B77 MK III)
とはいえ、21世紀の世の中にオープンリールデッキの新製品が登場するというのは驚きと同時に、今後のHi-Fiオーディオ業界やオーディオ愛好家に向けて、テープオーディオもまだまだいける、というメッセージであり、その象徴的な存在ではないでしょうか。
〇今後、Hi-Fiカセットレコーダーがリリースされるなら?
同様に、今後、Hi-Fiグレードのカセットテープレコーダーが登場するのなら、
・対応するテープはノーマルポジションだけか? ハイポジションやメタルポジションに対応するのか?
・3ヘッド構成か? 2ヘッド構成か?
・ノイズリダクションはどうするのか?
など、仕様をどう考えるかにもよるでしょうが、
20Hz-20KHzといったCDレベルの音質をカバーできる「比較的安価」な製品でも30万円以上、オープンリールデッキやハイレゾオーディオに迫る音質を目指す製品なら100万円を超える価格になるのでは、と個人的には妄想しています。
それでも、メーカー様は頑張ってHi-Fiグレードのカセットテープレコーダーを出してほしいです。
アナログオーディオにはレコードだけではなく自分好みに録音できるテープオーディオ、特に取り扱いの容易さと高音質のバランスがとりやすいカセットテープオーディオも必要です。
世界中には、ジャンルを問わず音楽を高品質に録音・再生して楽しめるカセットテープレコーダーを欲している愛好家が今も一定数以上存在しているのは確実です。
まじめに作られた製品が市場に投入されるなら、価格が高くとも、相応な人気を博することでしょう。
まずはハイエンドな機種を開発・販売して技術的な足場と資金力をを高め、
その後、より多くのユーザーの手が届く普及価格帯の製品もリリース、といった夢が描けるHi-Fiグレードのカセットテープオーディオの世界が、再び到来して欲しい、そう考えています。
*関連ブログ:近未来のカセットテープオーディオ製品を考えてみる
(ネットショップ向実庵・代表)
(以下、向実庵からのご案内です。)
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(上記画像:C90・オリジナルデザインカセット・アソート)

(上記画像:<ピースフル・黒ハーフ版>平和祈願のカセットテープ)