2021/01/18 16:02

2021年1月14日に投稿したご紹介文章で<スカーレット>について、
「ロックやポップス等、アクティブ&色彩的な音楽の録音・再生に好適です。」
と説明しておりますが、それ以外、例えばクラシック音楽を録音するのはどうなのか、新たな音源に基づき確認してみました。

〇確認の目的と使用音源について
前回(ブログ2020.12.22「新製品向けカセットテープの試聴」)も、このカセットに管弦楽曲・ホルスト/「惑星」から4曲を録音しましたが、この時はポピュラー作品とセットで、クラシック作品の確認がいささか駆け足でした。
今回は、規模の大きな交響曲を全楽章録音・再生して<スカーレット>のパフォーマンスを再確認します。
対象とする音源は、
・チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調op.64 (小澤征爾指揮ベルリン・フィル)
(グラモフォン・UCCG-5089)です。

(上の画像:このチャイコフスキーの5番は1989年の録音です。カラヤン時代の、高度な技術とともに一種野性味を感じさせるBPOメンバーの演奏と、細部まで行き届いた小澤氏の解釈が相まって、バランスの良い演奏を生み出していると思います。)

〇主な使用機材と録音の概況
今回もカセットデッキはTEAC V-6030Sを使い、事前にキャリブレーションを行いバイアスとレベル感度を最適化しました。
・テープの素の状態を確認しやすくするため、ノイズリダクションはオフです。
・録音レベルは、事前の試し録りを踏まえ、「惑星」の時(ブログ2020.12.22「新製品向けカセットテープの試聴」)よりも少し高め、ー9dBとしました。
・モニターにはいつものヘッドフォン(オーディオテクニカ・ATH-A2000X・ハイレゾ対応製品)を使用しました。
・全楽章を通しての録音中、レベルのピーク値は+6dBと表示されました。

〇録音を聴いた印象
再生音を聴くと、音源の低音域から高音域まで伸びやかに録音できている、と感じました。
CD音源との比較では、ヴァイオリン、オーボエ、トランペットなど高音楽器の倍音成分がわずかに際立ち、少しだけ音の重心が高音域に移る印象があります。録音により音が変化したわけですが、この程度なら音の爽快感が増す、プラス要因ではないかと思います。
また、音源に含まれるホールトーン(残響)が豊かに再現され、奥行き感や音の拡がりがリアルです。

この交響曲は1,2,4楽章に大音量の場面がありますが、レベル設定がうまくいき、音量のピーク時でも歪み感は特に感じませんでした。この製品には大編成の管弦楽曲でも安心して録音できるダイナミックレンジやMOLの広さがあると思います。

ヒスノイズは、当店の既存の製品(レトロ調デザインのカセットテープ、オリジナルデザイン・カセットテープ)に比べ、無音の部分で若干大きめに聞こえますが、録音レベルをきちんと詰めて、このテープの限界ぎりぎりまでレベルを上げて録音できれば、ノイズリダクション未使用であっても、演奏が始まれば気にならず、はなはだ耳障りということはない、と感じました。

〇まとめ:<スカーレット>を幅広いジャンルの音楽にお使いください
かつてのメタルポジションやハイポジションのカセットテープに比べ、ノーマルポジションは周波数特性やダイナミックレンジ、ノイズレベルの面で有利ではありません。ですが、爆発的な強奏から消え入るような最弱音まで含まれる、チャイコフスキーの5番という条件の厳しい音源を録音して「この製品、なかなかいけるぞ」という感触が得られました。 (やや手前味噌ですがお許しください。)

キャッチフレーズとして「ロックやポップス等、アクティブ&色彩的な音楽の録音・再生に好適です。」としておりますが、幅広いジャンルの音楽録音にこの<スカーレット>をお使いいただきたいと存じます。


〇追記:<スカーレット>を加えて、音質面でも製品の選択肢が拡がりました
従来、当店のカセットテープは、音楽に適した自然な周波数特性を持ち、中低音域の情報量が多い、アナログらしい音づくりの製品ラインナップでした。

(上記画像:レトロ調デザインのカセットテープ、オリジナルデザイン・カセットテープ、の例)

ここに、音質面で「デジタル対応」色の強い<スカーレット>を加えて、お客様にご提案できる選択肢を拡げることができた、と感じております。
当店の既存カセットテープ製品とともに、<スカーレット>でも録音をお楽しみいただきたいと存じます。