2020/12/22 11:57

(記事更新・2021.1.14)

先日Twitter上で少しご紹介した、新しいオリジナル製品向けブランクカセット。
このたび録音して試聴した印象などを書いてみました。

入荷したカセットテープは片面30分の60分タイプ。黒いハーフで、ハーフ窓周りはラウンド型ではなく角があるデザイン。少し現代的です。


録音に使用するデッキはTEAC V-6030S。音源には今回も管弦楽曲とポピュラー作品を用意しました。
テープの素性が分かりやすいよう、録音時のノイズリダクションはオフにしました。

〇キャリブレーション実施
まず、テープのバイアスとレベル感度の微調整を行うキャリブレーションを行いました。
先日、マクセルURの新旧比較(2020/12/16のブログ)を行いましたが、このテープはその時の旧版URと近い値です。
・バイアス値:11時(-4)、・レベル値:2時+α(+9位)

実は、今回の録音の前に旧版URのキャリブレーションを行い、ダイヤルはその設定のままでしたので、バイアス値はそのまま、レベル値を少し動かした程度でキャリブレーションは終了しました。

〇管弦楽作品を録音
録音してみます。まずは管弦楽曲で、ホルスト/「惑星」(小澤征爾指揮ボストン交響楽団)から4曲録音しました。
試聴はヘッドフォン(オーディオテクニカATH-A2000X)で、3ヘッドデッキの利点を生かし、テープに録音された音声をほぼ同時にモニターしてゆきます。

(下の画像:このホルストは1970年代後半の録音ですが、いまも鮮度の高い録音で、演奏水準も高いところにあると思います。)

この音源では主に、このテープがどの程度大入力に強い傾向なのかを確認しようと、金管セクションの強奏で始まる「天王星」から録り始め、続いて木星、土星、火星と録音しました。
4曲を通じて瞬間的にピーク値が+6dBまで振れるようにレベル設定しましたが、もう少しだけ余裕がありそうな様子で、歪み感のないすっきりした録音になりました。
音質的には低音域から高音域までフラットで、音源のニュアンスを正確に録音する傾向が感じられて好感触です。

録音した演奏をヘッドフォンで聴くと、ヒスノイズは高音寄りで軽めですが、静かな音楽では少し目立つかもしれません。無音部分でレベルメーターのー40dBセグメントの点灯具合を見ると、マクセルURより若干少ないながら近い印象です。静かな曲ではドルビーB、C等ノイズリダクションをうまく活用するとよさそうです。

〇ポピュラー作品を録音
次に、ポピュラー作品を録音します。山下達郎のアルバム「Ride On Time」を選びました。

(下の画像:1980年に発表されたアルバムですが、こちらも、音楽も演奏も色あせない印象です。)

この作品は密度の高い凝った音作りをしていることと、後の方に収録された曲(ボーナストラックのシングル版「Ride On Time」など)の出力レベルが高く、うっかりするとレベルを上げすぎて音がひずみやすいアルバムです。

今回は少し慎重にレベル設定を行い、結果的にLEDセグメントで+3dBまで常時振れるくらい、ピークレベル表示で+5dBになるように録音しました。
ヘッドフォンでモニターしている範囲では、ちょうどよい録音レベルで、音質的にも音源に忠実な音で録音できたと感じました。

〇スピーカーでも聴いてみる
翌日、今度はスピーカーでこの「Ride On Time」を録音したカセットを聴いてみました。
使用するスピーカーは、DENON USC-MA5という小型のブックシェルフ型。中古購入で詳細不明でしたが、調べると、5年ほど前のミニコンポ用のスピーカーです。12cmウーハー+2.5cmツイーターの2ウェイバスレフタイプ。小型なので低音域は軽めですが、高音域まで伸びやかで、全体に明るいナチュラル傾向の音質です。

十分なレベルで録音し、音量はやや控えめで再生したこともありますが、スピーカーで聴くと、テープのヒスノイズは聴き手の耳まで届かず、ヘッドフォンで聴く時よりも気になりません。
一方、ヴォーカル等にかかっているリバーブ(残響)は良く再現され、再生音に奥行き感が明確に感じられます。周波数的にも高音域まで伸びやかで申し分ありません。アルバム「Ride On Time」の魅力が十分発揮された録音となり、大変楽しく聴けました。

〇まとめ
文章中でも少し触れておりますが、このカセットに使われているテープは、マクセルUR(特に旧版)に通じるような特性を持っている印象です。
ですが、まったく同一ではなく、聴き比べると、URが、場合によって「ハイ上がり」傾向になる場面でも、このカセットはより自然な音質で再生してくれることが分かります。

このカセットはこれまで当店でリリースしてきたカセット製品の使用テープとも傾向が異なります。色彩的で元気の良いポピュラー音楽に向いた特性を持っていると言えそうです。


(上の画像:本カセットと、UR(旧版)の比較。念のためテープの色を比べてみました。色味が近い印象ですが同一ではない模様。)

そのため、製品としてのパッケージデザインも、新しく、ふさわしい内容にしようと考えております。

〇2021年1月に新発売です
このカセットを使った当店オリジナルデザイン製品を、2021年1月中にリリースいたします。
最初はC60をリリースいたします。また今後、C80やC50など、今までと変わった分数もリリースすると製品のバリエーションが増えて良いのでは、と検討しております。

(上の画像:2021年1月に発売・SV-C60(オリジナルデザイン・カセットテープ<スカーレット>)

どうぞご期待ください。