2020/06/30 10:25

6/8に前+後編の2回構成で「アナログ音源デジタル化」をテーマに投稿しました。 この時は、

・アナログ音源を(ポータブル)PCMレコーダーでデジタル録音し、

PC上で編集ソフト等を使って使いやすい形に整え、音楽CDや曲別の電子ファイルを作成する、

という流れをご紹介しました。

上記は、音質重視で録音する場合の、いわば本流に属する流れと言えますが、より簡便な“オーディオ寄り”の方法もあります。CDレコーダーを利用してアナログ音源から直接音楽CDCD-R)にする方法です。


〇現在入手できるCDレコーダー類

現行の、具体的な製品を挙げますと、以下のようなものがあります。

TEAC CDレコーダー (シルバー) CD-RW890MKII (価格:3万円前後)


TASCAM CDレコーダー/プレーヤー CD-RW901MKII (価格:7.5万円前後)


 上記2製品は、一般的なCDプレーヤーにCD-R/CD-RWへの録音機能が付いた機器と言えます。以前はソニー、DENON、パイオニア等各社から出されていました。現在、販売しているのはティアックおよび同社の業務用ブランドであるTASCAMなど少数になりましたが、現在でも新品で入手できます。


〇使い方など

CDレコーダーの録音方法はMDレコーダーやPCMレコーダー、及びカセットデッキと似ています。

およその手順を書きますと、

・CDレコーダーを送り出し側のオーディオ機器(もしくはアンプのLINE-OUT)と接続

・入力セレクターで音源を選択(アナログ/デジタル、及びクロック周波数等)

CD-R等録音媒体をセットし、音源を再生する等して録音レベルを調整

・頭出しのためのトラック指定は、以下のいずれかを選択

・曲間の無音部分を検知して自動的にトラック番号をつけるオートトラック機能や、

・手動で任意の箇所でトラック番号をつけるマニュアルトラック機能、

・設定した時間毎 (1分〜10分間、1分刻み) にトラック番号をつけるタイムトラック機能

・音源の再生に合わせて録音開始。

・録音が完了したら、媒体のファイナライズ処理を実施。

 ファイナライズ処理まで完了すれば、ほかのCDプレーヤーで再生できる音楽CDになります。

 PC上で操作するオーディオ編集ソフトのような、フェードイン・フェードアウトや音質の微調整などきめ細やかな編集処理はCDレコーダーでは難しい場合もありますが、アナログレコードのアルバムなどを手軽にCD化できることは大きなメリットになると思います。

〇使用媒体について

ご存じの方も多いと思いますが、念のためCDレコーダーで使用できる媒体について注意書きしますと、

一般に、オーディオ機器に属するCDレコーダーは録音媒体として音楽用CD-R/CD-RW(価格に私的録音補償金相当分を含む)のみ使用できます。PCで使用できるデータ用CD-R/CD-RWには録音できません。

 ただし、上記の業務用レコーダー・TASCAM CD-RW901MKIIはデータ用CD-R/CD-RWにも録音できます。録音時のフェードイン・フェードアウトにも対応する等、より高額には理由がある、ということのようです。

 

〇より簡便に利用できる製品

もう一つ、さらに簡便な製品もご紹介しましょう。

TEAC CDレコーダー ターンテーブル/カセットプレーヤー付 LP-R550USB-B (価格:5万円前後)

 

TEACからいくつか出ている一体型製品の一つです。アナログレコードやカセットテープなどの音源をCDレコーダー部で録音できます。

この製品の音は、複数のオーディオ雑誌のレポートによれば、音作りがしっかりしており、侮りがたい音がする、という評価があります。一方でAmazon等の書き込みによればスペック的な精度(周波数特性、回転ムラ、等)は著しく高いわけではなく、値段相応という声もあります。

CDラジカセにもSDカードやUSBメモリにMP3形式で録音できる製品がありますが、上記LP-R550MP3形式より音質で有利なWAV形式で録音できるので、ラジカセを少し上回る録音クオリティかな、と思います。

どちらかと言えば、音質より利便性を重視、という場合は選択肢にできそうです。

(向実庵からのメッセージ)