2020/06/08 11:06

皆様には、こんなご経験ありませんか?

▼アナログLPでしか出ていないお気に入りのアルバム。聴くたびに盤面をクリーニングしたりするのは結構面倒。だからカセットやMDで聴いているけど、CDもあったらいいと思う。

▼昔カセットテープに録音した音楽や、市販ミュージックテープをCDラジカセでも聴きたい。けれど、どちらもノイズリダクション入りだし、今どきのCDラジカセでは本来の音質で再生できない。


上記のようなアナログの音源をデジタル化できれば、

・音楽CDにして、手軽にCDプレーヤーやCDラジカセで聴ける。

・PCやネットワークプレーヤー、スマートフォンやデジタル音楽プレーヤーでも聴ける。

など、音楽を楽しめる範囲が拡がります。

そのためには、

アナログ音源をデジタル録音してから、CD-Rなどの媒体に書き込む、

もしくは各種デジタルプレーヤーで使える形に整える、といった作業が必要です。

こう書くと、非常にハードルが高いように見えるかもしれませんが、案外そうでもありません。

アナログ音源をデジタル化するには、

・PCMレコーダー

・オーディオ編集ソフト

・CD-R媒体へのライティングソフト

等を利用しますが、

現在のPCMレコーダーはカセットデッキやラジカセと大差ない操作感です。カセットテープやMDで録音される方なら容易に使えます。

また皆様も近年、PCでオフィスソフトやメールソフト等を使われることは多いと思います。

オーディオ編集ソフトやライティングソフトも同じくPCソフトです。最初少し慣れが要りますが、いったん慣れれば、あとはオフィスソフトやメールソフト等が使えるのと同様、操作できます。


このブログでは、アナログ音源をデジタルデータ化して、音楽CD(CD-R)を作ったり、デジタル音楽プレーヤーで聴ける音楽ファイルにする一連の流れをご紹介します。

よろしければ、引き続きこのブログにお付き合いください。

いつもより長い内容なので、今回は前編・後編の二部構成でご紹介します。


(ブログ「アナログ音源のデジタル化」構成)

・前編にあたる今回は、当店で扱っておりますローランドR-09を例に、ポータブルPCMレコーダーを一般的なステレオコンポに接続して、アナログ音源を録音=デジタルデータ化する方法をご紹介します。

・別途投稿します後編は、PC上でデジタルデータを編集し、音楽CD作成や、PCやネットワークプレーヤー、スマートフォン等で聴ける音楽ファイルを作成する方法をご紹介します。


それでは前編、ポータブルPCMレコーダーを使ったアナログ音源のデジタル録音の方法です。

〇ステレオコンポとPCMレコーダーとの接続

下記の図は、PCMレコーダーを一般的なステレオコンポに接続する際の構成です。


(音の鮮度を最優先する場合は、デッキやプレーヤーとPCMレコーダーの直結も可能ですが、今回はアンプにつながる各種プレーヤーの音源を容易に録音できる接続形態でご説明します。)

 

接続時のポイントをいくつか挙げますと、

▽PCMレコーダーは、プリメインアンプの「TAPE2」等、空いているライン出力端子に接続します。

・R-09を接続するためのケーブルは、アンプ側がL-Rのピンプラグ、レコーダー側がステレオミニプラグのタイプを使用します。

・R-09などポータブルPCMレコーダーは乾電池でも駆動しますが、残量不足によるトラブルを回避するため、AC電源を使用しましょう。

▽R-09の録音媒体はSDカード(最大容量2GB)ですが、当店が販売するR-09はSDHCカード(最大容量32GB)まで使用可能です。

・8GB、16GBといった容量に余裕のあるSDHCカードを用意すると、複数のアルバムをまとめて変換する際も余裕が持てます。

▽録音時のモニターには、ヘッドフォンが音の詳細が把握しやすくおすすめです。

・ポータブルPCMレコーダーは、ヘッドフォンのインタフェースがステレオミニタイプが多いので、対応するヘッドフォンや変換アダプタ―があると便利です。


〇録音準備:フォーマット設定について

録音に先立って、成果物となるデジタルファイルの録音フォーマットを設定します。

目的に応じて、録音フォーマットを以下のように選択されるとよいでしょう。

▽音楽CDづくりが主目的の場合:

・後工程でフォーマット変換数が少ない44.1kHz/16bitのWAV形式で録音するのが便利です。

▽CD以上の高スペックな再生が主目的の場合:

・PCやネットワークプレーヤー等、いわゆるハイレゾオーディオでCD以上の高スペックな再生が主目的の場合は、PCMレコーダーの最高音質で録音しましょう。(R-09は48kHz/24bitのWAV形式が可能。)

・音楽CDも作る場合は、録音したファイルから編集段階で、フォーマット変換で44.1kHz/16bitのWAV形式のファイルも用意します。

▽MP3ファイルは、フォーマット変換により上記のいずれのデジタルファイルからでも作成できます。


〇録音レベル設定と事前の確認

録音レベルは一般的には、ピークレベルがー4dB~0dB以内に収まるように設定できれば問題ないと思われます。

(PCMレコーダーは一般に、カセットデッキのような+表示の領域はありません。最大で0dB以内に収まるようにレベル設定します。)

慎重に進めるなら、ピークレベルが-6dB付近となるよう低めに設定して、編集段階の調整(ノーマライズ)で、レベルを上げることもできます。

音源によっては、インジケーターが追い付けないほど鋭くピークが来る場合もあるかもしれません。

録音本番前に、音源の中で大音量の箇所でテスト録音を行い、大きすぎで歪む(クリップする)ことがないか、或いは逆にレベルが低すぎないか等、レベル設定状況を確認しておくと、作業の手戻りが少なくなります。


〇録音開始

PCMレコーダーを録音待機状態にしておき、送り出し側のアナログプレーヤーやカセットデッキのスタートに合わせて録音を開始します。

作業が順調に進みますと、アナログレコードやカセットテープのA面・B面毎に1ファイルずつ、計2つのWAVファイルがSDカード上に出来上がります。

出来上がったデジタルデータを再生して聴いてみましょう。

(以降、後編に続きます。)