2020/06/08 10:53
ブログ「アナログ音源のデジタル化」後編をお届けします。
今回は、前編でSDカードに録音したデジタルデータに基づき、
・音楽CDを作成する方法
・音楽プレーヤーなどで使えるデジタルファイルを作成する方法
をご紹介します。
〇音楽CDの作成:必要な機器やソフトウェアなど
後編の最初は音楽CDの作成をご紹介します。
下記の図は、関連する機器やソフトウェアの構成と、作業の概要を表しています。

作業に必要な機器やソフトウェアは、以下のとおりです。
▽使用する機器など
・PC(ノートもしくはデスクトップタイプ)
・SDカード(録音データ格納済み。)
・DVD-RW、CD-RW等ライティング機能を有する光学ドライブ(PC内蔵もしくは外付け。)
・CD-R媒体(データ用、又は音楽用いずれでも)
▽PCにインストールが必要なアプリケーションソフト
・オーディオ編集ソフト
・ライティングソフト(オーディオ編集ソフトに媒体書き出し機能がない場合。)
▽利用をおすすめする機器
・ヘッドフォン(作業モニター用。PCのステレオミニジャックに適合するタイプ。)
〇録音したデジタルデータをPCに取り込み
PCMレコーダーで録音したデジタルデータ(=WAVファイル)入りSDカードをPCのスロットにセットし、WAVファイルをPCのストレージ(HDD又はSSD)にコピーします。
(PCMレコーダーをPCとUSBケーブルで接続して補助記憶装置として認識させ、WAVファイルをPCにコピーすることも可能ですが、より簡便なSDカードの物理的な移動でご説明しています。)
続いて、オーディオ編集ソフト(波形編集ソフト)を起動して作業を行います。
〇オーディオ編集ソフトについて
オーディオ編集ソフトにはいろいろな製品があります。有料(数千円~)はもちろん、無料で利用できるものもあります。
ネット上で調べますと、「Sound it!」(有料)、「WavePad(有料版&無料版あり)、「Audacity」(無料)等、業務利用を想定する多機能な製品からベーシックな製品まで、多数のソフトが検索できます。
ご購入の際は、
・ソフトが要求するPC環境(CPUクロック値、ストレージ容量、OS種類等)がご使用のPCと適合しているか
・必要な機能や価格等が適切と言えるか
等をポイントにご検討ください。
〇オーディオ編集ソフトを用いた作業・音楽CD向け
音楽CD向け(44.1kHz/16bitのWAV形式)ファイル編集作業は、オーディオ編集ソフトとしては基本的な内容と言えます。
およそ以下の内容及び順序で行います。
1)編集の基本となるデジタルファイル(44.1kHz/16bitのWAV形式)をフォーマット変換により作成
(作成済みの場合は次へ)
2)WAVファイルの録音レベルが低い(or高い)場合は適切なレベルに調整(ノーマライズ処理)
3)頭出しができるように、曲別や楽章別等でWAVファイルを分割
(デジタルファイルを表示している画面上に印を入れてゆくことで分割ができます。)
4)必要に応じて分割したファイル毎に微調整
(演奏前後のフェードイン/フェードアウト設定や、ノーマライズ等)
これで、CD-Rに書き込める曲別のWAVファイルが出来上がります。
〇CD-Rへの書き込み
WAVファイルのCD-Rへの書き込みは、上記オーディオ編集ソフトで実行できる場合もありますし、機能がない場合は別途ライティングソフトが必要です。
筆者(店主)は、ライティングの際に定番ソフトの「B's Recorder」を使用しています。
このソフトで音楽CDを作成すると、曲間の無音部分の秒数を個別に調節できて便利です。
CD作成のみならず、CDからのリッピング(音楽データの取り出し)やデータDVD作成などもできますので、ライティングソフト選びで迷ったらこのソフトをお勧めします。
音楽ファイルのCD-Rへの書き込み作業のあらましは以下のとおりです。
1)書き込み対象のWAVファイルを、登録画面より演奏順に登録する。
2)(可能なソフトであれば、)曲間の無音部分の設定・微調整を行う。
3)書き込み時のパラメータ(データチェック有無、等)の設定。
4)ここまでに光学ドライブにブランクのCD-R媒体をセット
5)書き込み処理実行。
これで、アナログ音源に基づく音楽CDが出来上がります。
音楽CDが出来上がったら、CDプレーヤーやCDラジカセ等で再生してみましょう。
〇いわゆるハイレゾオーディオ向けデジタルファイルの編集作業
PCやネットワークプレーヤーなど、いわゆるハイレゾオーディオで音楽を聴く場合、音楽CDに書き込む必要はありません。編集の結果出来上がったそれぞれのデジタル音楽ファイルが作業の成果物です。
SDカードやUSBメモリ等で対象の音楽プレーヤーに移して利用します。
編集作業の大筋は、音楽CD向けのファイルづくりの場合と同様です。
聴きやすい単位(曲別や楽章別等)でWAVファイルを分割、録音レベルの調整(ノーマライズ処理)、曲別にファイル分割、必要時にファイル毎に微調整、を音楽CD向けファイルの場合と同様に行います。
注意すべきは、CDを超える高スペックなデジタル音楽ファイルが再生できるので、アナログ音源をPCMレコーダーで録音した際の最高品質のデジタルファイル(R-09では48kHz/24bitのWAV形式)の品質を維持したままで編集する、というところです。
〇MP3ファイルの作成
スマートフォンやデジタル音楽プレーヤーで使いやすいMP3ファイルの作成は、これまでに編集してきた音楽CD用やハイレゾオーディオ用のデジタルファイルをもとに、オーディオ編集ソフトで、任意のビットレートのMP3ファイルにフォーマット変換すれば効率的です。
元ネタとして44.1kHz/16bitもしくはそれ以上、の高品質なデジタルファイルがあれば、MP3ファイルの作成の際、音質とファイルサイズのバランスを勘案してビットレートを決められますし、ファイルを変換し直すことも容易です。
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以上、2回にわたってアナログ音源のデジタル化の方法についてご紹介しました。
作業の始まりから終わりまで必要な作業を網羅しよう、
でも、なるべくわかりやすく、
情報過多にならぬよう気を付けよう、
等、注意したつもりでしたが、
それでもいささか駆け足のご説明になってしまった感じもいたします。
このコンテンツが
少しでも皆様のご参考になれば幸いです。
ご質問がありましたら、「Contact」までお寄せください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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