2022/05/12 14:39
(最終更新:2022.6.28)
いつも向実庵をご利用いただき、ありがとうございます。
これまでも少しずつご案内していた、新しい系列の白ハーフカセットテープ(以下、新系列白ハーフカセット)ですが、最初の製品である「新お試し版」のリリースに先立ち、このブログにも記述を追加・更新して、改めてご紹介いたします。

(上記画像:新系列白ハーフカセットを使った製品第一号・新お試し版・EG-C60)(2022.6.27追記)
〇現在は製造が終了しており、在庫も少なくなってきた従来の白ハーフカセットテープ。その後継として、新系列白ハーフカセットに基づく製品を導入いたします。
〇新系列白ハーフカセットの外観・分数

(上の画像:テスト中の新系列白ハーフカセット。バルク状態。)
・表面には格子模様がプリントされ、リール窓周りは角型に成形されています。フィリップスタイプより現代的なデザインです。
・格子模様が指になじんで滑りにくく、手にした際に安定感があります。
・現在調達済みの新系列白ハーフカセットの分数はC46(片面23分)、C60(同30分)の2種類です。
〇新系列白ハーフカセットの特性を確認
*TEAC V-6030Sによるキャリブレーション結果
従来の白ハーフ製品(以下、白ハーフ従来版)との比較も交えてご紹介します。

(上の画像:TEAC V-6030Sで新白ハーフカセットのキャリブレーションを行った際の補正値の状況)
・バイアス値:浅め・8時(-16)~7時(-20)付近。
V-6030Sの場合、白ハーフ従来版でデジタル音源のニュアンスを活かして録音する際は、高音域までフラットな特性を得るため7時(=-20)までいっぱいにバイアス値を浅くするのですが、新白ハーフカセットでは補正幅に若干ですが余裕があります。
ここから新系列白ハーフカセットは、白ハーフ従来版と同傾向のトーンカーブながら、若干、高音域が持ち上がった特性を持つと想像できます。
・入力感度補正値:±0。
白ハーフ従来版も感度補正は0時半~1時と少なめです。
新系列白ハーフカセットはより感度が高く、補正不要でした。こちらも若干、再生出力が高めになると期待できます。
〇音質の特徴など
*TEAC V-1050によるテスト録音結果
こちらも、新系列白ハーフカセットを白ハーフ従来版と比較しながらご紹介します。
今回、音質の確認には、上記のV-6030S よりキャリブレーション機構が簡略で、カセットテープの素性が明確に出やすいベーシック機・TEAC V-1050を用い、新系列白ハーフカセットと白ハーフ従来版に同じ条件で録音し再生音を比較しました。
*テスト時の条件・共通
・ノイズリダクション:Off
・録音レベル:ダイヤル表示:4+1/3付近にて
・バイアス値補正:10時半(-6)位
・ドルビーHXPRO:On(デフォルトで動作)
・試聴機器:ヘッドフォン・オーディオテクニカATH-A2000X
・使用音源:岡村孝子「chou-fleur」(CD・1991年)より
岡村氏のソフトなヴォーカルと、電気&電子楽器主体にピアノ・ギター等アコースティック楽器も交えた色彩的で密度の高い演奏が、現在の感覚でも高い鮮度で録音されているアルバム。
B.コールドウェル「Heart of Mine」、小沢征爾/BSO「惑星」等とともに、テスト録音に定番の音源として使用しています。
・ヒスノイズ
テープ冒頭、無音部分の再生中にヒスノイズを確認すると、-40dBのインジケーターが1~2秒に1回程度点灯します。
白ハーフ従来版は4~5秒に1回程度の点灯なので、相対的にヒスノイズが大きめですが、一方でこの値はマクセルUR等と同等レベルとも言えます。
・再生出力
今回の録音レベル設定では、双方のカセットテープともピーク時にインジケーターが+3dBまで振れるように設定しています。
ですが再生中インジケーターの振れ方をよく見ていると、新白ハーフカセットの再生出力は中間的な出力レベルの個所で、白ハーフ従来版より0.5dB~1dB程度高めに出ている様子です。
新系列白ハーフカセットはヒスノイズがやや目立つ分をより高い再生出力で取り返している、といえると思います。
・再生音のイメージ
新系列白ハーフカセット及び白ハーフ従来版の再生音は、バイアス値に若干補正を加えたこともあり、どちらも総体には高音域まで伸びやかで、なおかつアナログらしく誇張の少ない聴きやすい音質が得られました。
その上で、2種類のカセットの音質の違いを確認すると、
・白ハーフ従来版は静粛性が高めな傾向もあって、幾分しっとり落ち着いた雰囲気の再生音と感じられました。
・新系列白ハーフカセットは相対的に出力高めの傾向とあいまって、色彩感及びインパクトが増した再生音になりました。
*上記より、新系列白ハーフカセットは白ハーフ従来版の音質の傾向を継承しつつ、現代の色彩的でビートのきいたポピュラー音楽やロックなどに、よりふさわしい再生音が期待できると思います。
〇やや気がかりな点:走行系を選ぶ傾向 (追記:2022.6.27)
この新系列白ハーフカセットテープですが、やや気がかりな点があります。それは「走行系を選ぶ=デッキを選ぶ傾向」が若干みられたことです。
テストに使用したデッキでは、TEAC V-1050:ベーシック機。ラジカセでも一般的なシングルキャプスタン構成の走行系:で、録音時、走行系が少し汚れ気味になると音抜け(ドロップアウト)がやや目立つ傾向が見られました。ヘッドとキャプスタン周りを清掃すれば改善しますが、製品の提供側としては引っかかる点です。
一方、TEAC V-6030Sでは、録音結果は常に安定しており音抜けは感じられません。
このデッキはデュアルキャプスタン構成の走行系です。
新系列白ハーフカセットは、録音&再生ヘッドの前後からテープにテンションをかけられるタイプのデッキと相性が良いように思われます。
カセットテープは物理的な媒体のため、使用機種により相性の良し悪しが生じるのは止むをえない部分がありますが、懸念事項がわかっていながら何ら手を打たないのも問題と思い、できる対応策などを再度検討しておりました。
その結果は、やはりユーザーの皆様に実際に使っていただき、個々に判断いただくのがベターとの考えに至りました。
そこで従来のご案内どおり、新系列白ハーフカセットによる製品第一号として、比較的安価な「新お試し版」(お一人様1点限り)をリリースすることにいたしました。
※「新お試し版」は、新系列白ハーフカセットの使い心地をご確認いただく目的でリリースしますので、従来のお試し版をご購入済みの方も、改めてご購入いただけます。
・従来のお試し版:レトロ調デザインのカセットテープ<白ハーフ+緑ラベル>EX-C60です。また初期に若干数販売しました<白ハーフ+緑ラベル>EX-C90も含めます。
改めて新お試し版を、お持ちのカセットデッキ等との相性の確認にご利用いただければと存じます。

(上記画像:近日リリース予定・新お試し版・EG-C60)

(上記画像:左・従来のお試し版<白ハーフ+緑ラベル>EX-C60、右・新白ハーフカセットによるお試し製品の5月時点のデザイン検討案)
〇今後の製品展開及び価格の方向性 (記述更新:2022.6.27)
新系列白ハーフカセットに基づく新製品の価格ですが、近年カセットテープ素材調達コストが高騰しているため、大変恐縮ですが、白ハーフ従来版に基づく各製品よりお高めになる点を悪しからずご了承いただきたいと存じます。
ですが、当店のオリジナルデザインカセットテープは「普段より気兼ねなく使える」ことを目指すものですので、その中でもなるべくお手頃な価格でご提供できるよう工夫したいと存じます。
また、ご案内済みの「ピースフル・白ハーフ版」をはじめ、新デザイン製品も今後順次リリースいたします。

(上記画像:「ピースフル・白ハーフ版」のデザイン検討案)
そして、ご好評をいただければ、C90等の分数のバリエーション追加も検討いたします。
引き続きご期待・ご利用いただけますと幸いに存じます。