2020/08/06 15:46

今年は季節を感じないうちにカレンダーだけが過ぎていく、そんな印象が強いです。
個人的に、夏のこの時期は、あちこちの吹奏楽コンクールを聴きに行くのが楽しみなのですが、新型コロナウイルスの影響で、現在は3つの密を避けなければならない状況下、集・接・閉、3つの密に当てはまりがちな吹奏楽コンクールは軒並み中止となっています。

そのようなことを考えていたら、「楽器の練習に録音機器が役立つ」という主旨のブログを書こうと思い立ちました。(・・冷静に考えるとかなり強引です。)
まだ新型コロナウイルスが収まらない今日ですが、合奏練習に限らず自宅での個人練習にも応用できますので、書いてみたいと思います。
なお、読者としては筆者と同じ、アマチュアの器楽奏者の方を想定しています。
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ある程度の年月、楽器を演奏してきて一定の技量に達しますと、奏者の方は何らかののソロ曲を演奏する機会や、管弦楽や吹奏楽といった合奏や室内楽の中で、ご自身の演奏に比較的重い責任がかかってくる場面を経験することになると思います。

そのような場面に遭遇すると、果たして自分の演奏が目的に適った演奏になっているのか不安に思ったり、確認したくなったりすることと思います。

演奏中、自分の演奏がどのような状況かを確かめるのは案外と難しいです。
それは耳に聴こえている自分の演奏と、周囲のメンバーや客席に届いている自分の演奏には案外と大きな差があるためです。

そんな場合、プロ演奏家のレッスンを受けている方なら、予めレッスンで先生の指導を仰ぐのが一般的だと思います。
また、合奏の指揮者や指導者の先生に質問したり、アドバイスをもらうこともあると思います。
或いは、一緒に演奏に参加するメンバーから、感想や助言を求めたりもすると思います。

そんな時、さらに加えて、練習中の自分の演奏を録音して聴いてみると、客観的に、聴衆の立場で自分の演奏を体感できます。
実際の演奏の様子を録音で確かめられると、周囲の助言や意見が果たして妥当なものか、合理的に判断できる材料が増えますので、納得の度合いも高まることと思います。

現在は、例えば以下のような機器で手軽に録音ができます。

〇デジタルレコーダー
性能の良い軽量小型のデジタルレコーダーが多数販売されています。
価格も、1万円前後で、WAV形式はもちろん、プロが業務で使うようなハイレゾ録音のできる製品が珍しくありません。ステレオのマイクロフォンも内蔵していて、手軽に録音することができます。
(写真例:TASCAM DR-05 VER3 実勢価格:1万円前後)

練習の際にこれらレコーダーで録音して、自分の演奏がどのように聞こえるのか確認し、改善すべきポイントが見つかれば早めに演奏に修正を加える、さらに習熟するよう練習を積む、等の対応をします。

製品を選ぶ際のポイントは、演奏の様子を正確に記録できる=なるべく高音質で録音できる製品を選ぶことです。
録音から自身の演奏の様子を正確に把握できなければ、最悪は判断を誤ることもありうるからです。

そのため、同じデジタルレコーダーでも、昔の電話の音声のような周波数レンジの狭いメモ録音用のICレコーダーは購入しないようにしましょう。上記写真例のような、WAV形式=CDクオリティ(周波数特性20Hz-20kHz)もしくはそれ以上の音質で録音ができるPCMレコーダーを選んでおきましょう。

〇スマートフォン+録音アプリ(+外部マイク)
現在はスマートフォンでも、レコーダーの代わりが務まると思います。
一例を挙げると、無料版もあるアプリ「PCM録音」を活用するとWAV形式で録音でき、音源データをSDカードへ保存できます。
このような録音アプリを導入すると、スマートフォンがデジタルレコーダーになります。さらに、もしスマホについているマイクのスペックが物足らないようなら、演奏を忠実に収録できる外部マイクの利用も検討されればベストかと思います。

〇その他の録音機器
他にも、従来型のオーディオを愛好する奏者の方なら、DATやポータブルMDレコーダー、TC-D5MやWM-D6C等のカセットテープレコーダーに、高音質のマイクロフォンを組み合わせることで練習の録音に活用できると思います。(ただし、カセットは45分や60分ごとに入れ替える必要が生じ、あまり長時間の録音には向きませんが…。)

※録音に適当なポイントを見つける
録音機器を手に入れたら、練習場所の中で、なるべくきちんとした音質や楽器のバランスで録音のできる場所を見つけて、そこにレコーダーやマイクをセットして録音します。
一般に練習会場や、自宅の練習場所などはコンサートホールほど音響が理想的ではないと思います。ベストが無理でも、なるべくベターな録音のポイントを探して収録するようにします。
合奏練習を例にとると、合奏体の前側で程よく距離のある位置=指揮者席の後ろ付近がよい気がします。(その際、指揮者の先生に、自分の演奏の確認のため録音する旨を予めお話ししておくとよいと思います。)また、同じポイントでも、低い位置にマイクを置くと低音が強調され、高い位置に設置すると低音が弱く収録されます。譜面台を1m程度の高さに立て、譜面立て部分を水平気味にセットし、そこにマイクないしはレコーダーを置くと概ねよいバランスになりそうです。

※自分の演奏を聴くのが怖い、ですか?
一方で、録音した自分の演奏を聴くことに抵抗を感じる、聴くのが怖い、という方も結構多くいらっしゃるのかもしれません。(実は筆者もそうでした。)
ですが、冷静に考えますと、いつも周囲に(平気で)聴かせている自分の演奏を、本人が怖くて聴けない、というのも矛盾ではないでしょうか?
結局は慣れの問題です。数回聴くうちに慣れてきて、抵抗感も恐怖感もなくなりますので、最初のうちは少し我慢して聴くようにしましょう。

録音を聴いて自分の演奏を客観的に把握できるようになると、演奏に対する助言や意見などが、本当に妥当で価値のあるものか、(あるいは場合によって聞き捨てるべきものか、を)正しく判断できる可能性が高まります。
それは、(アマチュアであっても)演奏家としてとても大切な、自分の演奏に自信そして責任感を持つことへの近道の一つになるものと思います。