2020/07/02 15:14
(一部更新:2021.6.22)
現在のオーディオで、数的に主流の聴き方は、スマートフォンやデジタル音楽プレーヤーにヘッドフォンをつないで聴くスタイルでしょう。
筆者もヘッドフォンはよく利用しています。つなぐ先はコンポのアンプやラジカセですが、それらのスピーカーから音を出すよりもヘッドフォンの方が使用頻度が高いです。
周囲の騒音を気にせず、また周囲に迷惑をかけないで十分な音量で音楽を聴けるのはありがたいです。
〇かつてはスピーカーの代替、今は主流の再生機器に
カセットウォークマンが発売される前まで、ヘッドフォンは一般に、深夜とかでスピーカーで聴けない場合の、緊急避難的?な機器で、ステレオの付属品、という意味合いが強かったように思います。
しかし今や「スピーカー以上に、オーディオを楽しむための主流の再生機器」と書いても大げさでないと思います。
〇種類も多く価格差は1000倍超
それだけに、現在売り出されているヘッドフォンの種類は非常に多く、価格帯も広いです。
10万円以上のヘッドフォン本体+10万円以上の専用アンプを組み合わせるハイエンド製品の例もあれば、
百円ショップの電気小物や家電製品の棚に数百円のヘッドフォンが置かれてもいます。
値段に1000倍を超える差があれば、製品の音質にも大きな差があります。
コンサートホールの音の広がりが実感できる、歌手や奏者のすぐそばで聴いているかのようなリアルでニュアンス豊かな音質の製品もあれば、とりあえず音が出ていることが分かる程度のものまで、さまざまです。
〇現行ヘッドフォンの形式3つ
ヘッドフォンの形式も増えました。筆者のようなある程度年齢のいった人間におなじみなのは、
・オーバーヘッド型
→ユニット裏の状態により、密閉型とオープン型に分かれます。
・インナーイヤー型
→ウォークマンとともに普及した、とご記憶では。
ですが、さらに近年は、
・カナル型(イヤフォン)
→両方の耳穴に差して使う形。
が大きくラインナップを増やしています。
(写真例: audio-technica ATH-CKR70 RD)

カナル型は、なんとなく昔のラジオの付属品を思い出させるせいか、筆者的に最初不信感がありました。ですが数年前、旅先で必要に迫られて購入した3千円弱の製品が想像以上にリアルでよい音だったことから、「見た目で判断してはいけない」と反省した記憶があります。
〇高音質なヘッドフォンならCDラジカセの本当の性能を引き出せる
さて、いよいよここから表題の件ですが、グレードが一定レベル以上のCDラジカセになら、近年のハイレゾ対応など高音質ヘッドフォンを組み合わせても十分楽しめます、というお話です。
(写真例:パナソニック RX-D47)

ソニー、東芝、パナソニックなどからCDラジカセが発売されています。その中でも実売1万数千円以上の製品は、ラインナップの上位機種に属し、製品企画段階から、音楽をきちんと再現しようと意図された製品であることが多いです。
それらのCDラジカセは、コストやスペースの制約等からオーディオコンポには敵わない面があるにせよ、実はアンプ部に結構な力が注がれていて、スピーカーから出る音は状況によってちょっと物足らない場合でも、きちんとしたヘッドフォンを繋ぐと、思いのほか高品質な音が聴ける場合があることを筆者は経験しています。
(写真例:ソニー CFD-RS501)

それだけに、ハイレゾ対応といった高音質なヘッドフォンをこれらのCDラジカセにつないで聴くことは意義あること、と思います。
高音質なヘッドフォンを使うことで、CDラジカセの音の出口をグレードアップすることにつながります。
〇手近なラジカセ+高音質ヘッドフォン=音楽の有意義な楽しみ方の一つ
むろん、ハイレゾ対応等の高品位なヘッドフォンは、オーディオコンポやハイレゾオーディオなどにつなぐ方が、持っている能力をフルに発揮できる可能性は高いです。
ですが一方で、作業や仕事の合間等に、手近なラジカセにきちんとしたヘッドフォンを組み合わせて、音楽をよりよい条件で楽しむことができるとしたら、それは音楽の有意義な楽しみ方の一つであると思います。
通常、CDラジカセのスピーカーを交換することはできませんが、複数のヘッドフォンを使い分ける・繋ぎ替えることはずっと容易です。
聴く音楽のジャンルや、その時の気分等に応じて、CDラジカセにつなぐヘッドフォンを使い分けるのも面白い体験になると思います。
また、これからの時期は蒸し暑く、いかに良い音と言えども、オーバーヘッド型のヘッドフォンは敬遠したくなる場面も出てきます。
こんな時こそ、まだ未体験の方は、思い切って?カナル型イヤフォンの高音質タイプを試してみるのもいいかもしれません。