2020/05/20 10:10
(一部更新:2021.6.9)
筆者がカセットテープに音楽を録音するようになって既に40年以上経ちます。
カセットに録音するときに注意していること、特に大切と思うことも変化しています。

〇以前は「演奏の終わりまできちんと録音すること」
以前、FM放送をカセットテープで録っていた頃、一番注意したのは「演奏の終わりまできちんと録音すること」でした。
70年代から80年代の頃、FMでは国内外のアーティストのコンサートや、スタジオでのライヴ録音の放送が、今よりもずっと多かったです。音楽の配信サービスやYouTubeなどもちろんない時代で、FM放送から得られる音源は貴重でした。
これを録ろう、と思う番組は、FM週刊誌で曲目や演奏時間を調べて、使うテープの長さ(分数)を決めました。
1時間半から2時間に及ぶコンサートの実況録音など、長時間のプログラムは途中でカセットを早送りしてひっくり返すか、別のカセットに交換する必要が出てきます。
しかしそういった作業の時間がほとんどとれない場合もあり、時々失敗して演奏の頭が欠けた録音が出来上がりました・・・。
演奏の終わりはきちんと録音できても、ですね。
(私と同世代の方で同じような経験をされた方はけっこう多いと思います・・・。)
〇現在は「適切なレベルで録音すること」
今、カセットに録音する音源は市販のCDか、自分でまとめたCD-RもしくはMDになりました。
FM放送を録音したときのような収録時間にまつわる緊張感はなくなり、一番注意していることは録音のレベルです。
カセットデッキのみならずラジカセでも聴こうとするテープは、ノーマルテープにノイズリダクションなしで録音します。
なるべくSN比を稼ぐため、歪まない範囲で極力レベルを上げて録音したいです。
事前に大音量の部分で試し録りしておきますが、それでも録音中は「レベル上げ過ぎなかったかな。それとももう少し上げてもよかったかな。」などと気にしながら進めています。

録音直後に「これでいいだろう」と納得できても、何回か聴き返すうち「大きすぎて演奏が歪みっぽい」「控えめすぎだった」と、考えが変わることもあります。
ですが、カセットテープなら同じメディアに納得がいくまで録り直しができます。
〇カセットテープのメリット:何度でも録り直しOK
何度も録音し直せば時間もかかり面倒ですが、繰り返し聴いていると、
演奏や曲の細かなニュアンスのようなところまで自然に頭に入ります。
ときには、興味がなかった曲の良さが徐々にわかることもあります。
これはアナログならではのメリットに含めていいと思うのですが、いかがでしょう?
<向実庵からのメッセージ>