2020/03/28 10:43

今月(2020年3月)、マクセルからリニューアルされたカセットテープ・URが発売されました。


60分テープの画像を載せましたがご覧のとおりパッケージデザインが一新されました。
テープ上の磁性体の色も若干変化した旨のレポートがSNS上に上がっています。音質もいくぶん変化があったでしょうか。
未使用URのストックはまだありますが、こちらの新製品を買ってきて聴いてみたいと思います。

ただ、テープ長(分数)のバリエーションは削減されて、10分、20分、60分、90分の4タイプ。
なくなったのは30分と46分です。

このうち46分テープがなくなったのはちょっと「残念」と感じます。

昔(、というのは80年代初めくらいまでの)、LPレコードがオリジナルのポピュラー音楽のアルバムは、その多くがA面・B面(←死語ですね)それぞれ23分以内で、片面が同様の長さの46分カセットなら無駄なく録音できました。

また、長さ短めの46分テープは摩擦抵抗も軽く、カセットデッキやラジカセのメカの負担が少なく、トラブルも起こりにくいです。

とはいえ80年代後半以降、ポピュラー音楽のアルバムもCDが普通になり、収録時間は長くなる、A/B面の区別がないのでアルバムの真ん中付近で区切ることのない曲目構成になる等、46分テープに収録しにくい音源も増えました。(でも60分では長すぎて、余った部分をどうしようかと悩むのです。)

また、LPレコードがオリジナル版のアルバムも、再発売されたCDにはボーナストラックが追加されて、46分テープに収まらない場合もあります。(本当に「おまけ」のボーナストラックなら、録音しなければLP時代と変わりませんが。)

それに現在は、音楽を「媒体に収める」必要性も薄れました。最近は無線でネットにつながった音楽プレーヤー(スマホ)に、ストリーミング配信されるのですから。
「46分テープがなくて寂しい」などは、競走に例えれば4,5周遅れ位でしょうか。(いえいえ、10周遅れ以上かもしれません。)

でも、デジタル音源の曲でも、きちんとした品質で録音したカセットテープで聴くと印象が変わることがあります。
コピーした分音質が劣化していそうなものなのに、より聴きやすく、耳になじむ音に変化することがあります。

そういった「録音の楽しみ」はなくならないでほしい、そのため録音媒体の選択肢も、少しでも多く残っていてほしいと思います。

SNS上にも、「URから46分テープがなくなって不便、寂しい」といった意見も少数ですが出ているようです。
当店としてはレトロ調テープに46分の灯を、ごくごくささやかですが点していこう、という状況です。

*掲載画像について:「画像の諸権利はマクセルに帰属いたします。」(マクセルホールディングス株式会社HPより)

<向実庵からのメッセージ>

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